いつもの朝に
今邑彩著/集英社
読み終えた今、虚脱感でいっぱいです。
あぁ、こういうラストだったのか。
中学生である年子の兄弟、桐人と優太。
優秀な兄と不出来な弟。
ある日、弟が子供の頃から大切にしていたクマのぬいぐるみから
謎めいたメモが見つかる。
好奇心も手伝って、メモの示す岡山県のある村を訪ねる弟。
そこには予想もしなかった戦慄の事実が待っていて―。
白だと思っていたものが、途中で黒になり、
黒だと思っていたものがまた白になり。
読んでいて、優秀すぎてどこか鼻につく兄と、
自分を卑下しすぎていて歯がゆい弟の、兄弟でありながら
ぎくしゃくとした関係が、様々な事実の末に真の兄弟と
なってゆく姿には不覚にも涙が。
特筆すべきは母の存在。
一見自己中心的なように描かれるが、実は途絶える事のない
愛情を深く深く持っていて。
この母があったからこその兄弟の関係と言っても過言ではない。
ミステリーの風味もありつつ、実は親子愛・家族愛を問う
素晴らしい作品。
超・長編ではあるが、ぜひご一読を。
★★★★★
今邑彩著/集英社
読み終えた今、虚脱感でいっぱいです。
あぁ、こういうラストだったのか。
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中学生である年子の兄弟、桐人と優太。
優秀な兄と不出来な弟。
ある日、弟が子供の頃から大切にしていたクマのぬいぐるみから
謎めいたメモが見つかる。
好奇心も手伝って、メモの示す岡山県のある村を訪ねる弟。
そこには予想もしなかった戦慄の事実が待っていて―。
白だと思っていたものが、途中で黒になり、
黒だと思っていたものがまた白になり。
読んでいて、優秀すぎてどこか鼻につく兄と、
自分を卑下しすぎていて歯がゆい弟の、兄弟でありながら
ぎくしゃくとした関係が、様々な事実の末に真の兄弟と
なってゆく姿には不覚にも涙が。
特筆すべきは母の存在。
一見自己中心的なように描かれるが、実は途絶える事のない
愛情を深く深く持っていて。
この母があったからこその兄弟の関係と言っても過言ではない。
ミステリーの風味もありつつ、実は親子愛・家族愛を問う
素晴らしい作品。
超・長編ではあるが、ぜひご一読を。
★★★★★
つきまとわれて
今邑彩著/中公文庫
「よもつひらさか」を読んで、すっかりその虜に。
悲しいかな、なかなか作品が書店の店頭では見つからず、
やっと見つけた一冊。
あぁ、やっぱり好きだわ、今邑さん。
今邑ブーム到来の予感。
今回の作品はミステリー連作短編集。
前作では端役として登場した人物が、次の作品では主役になって
いたりと、パターンとしてはありがちなものではあるが、
違和感や強引さを感じさせないところが、ただただ素晴らしい。
これらの作品、実は1990年代に書かれたもの。
10年以上も前の作品であるのに、妙な古臭さを感じさせないのは
扱うテーマが奇抜なものではなく、定番であるからこそ、とも
言える。
巻末の解説によると、今邑さんの作品は2003年以降発表されて
いないそう。筆を折るということがないよう切実に願っている。
★★★★★
今邑彩著/中公文庫
「よもつひらさか」を読んで、すっかりその虜に。
悲しいかな、なかなか作品が書店の店頭では見つからず、
やっと見つけた一冊。
あぁ、やっぱり好きだわ、今邑さん。
今邑ブーム到来の予感。
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今回の作品はミステリー連作短編集。
前作では端役として登場した人物が、次の作品では主役になって
いたりと、パターンとしてはありがちなものではあるが、
違和感や強引さを感じさせないところが、ただただ素晴らしい。
これらの作品、実は1990年代に書かれたもの。
10年以上も前の作品であるのに、妙な古臭さを感じさせないのは
扱うテーマが奇抜なものではなく、定番であるからこそ、とも
言える。
巻末の解説によると、今邑さんの作品は2003年以降発表されて
いないそう。筆を折るということがないよう切実に願っている。
★★★★★
よもつひらさか
今邑彩(イマムラ・アヤ)著/集英社
話の内容といい、文体といい、実に好みな作品でした。
ホラー短編集と紹介されていて、かなり迷いつつ購入。
確かにホラーチックな作品もあるけれど、ミステリーあり、
ファンタジーありで、バラエティ豊か。
ホラー短編集の一言は、かえって読者を限定してしまうのでは
なかろうかと余計な心配をひとつ。
物語は全部で12。
がつがつと読み進むのではなく、1日1編上品に味わいたい
ものばかり。
中でもいちばん惹かれたのが「時を重ねて」という作品。
私立探偵をしているおれ。
大学時代の友人、小泉から依頼されたのは彼の妻の浮気調査。
女友達と軽井沢へ一泊旅行をするという小泉の妻を尾行するが
彼女の行動は不可解なことばかりで・・・。
友人夫婦の浮気調査という、これ以上ないくらいに生臭い
話であるにもかかわらず、最後まで読むとなんともいえず
寂しいような、いとおしくなるような。
初の今邑作品がこれだったのはラッキーだったかも。
ぜひとも他の作品も読んでみたいもの。
★★★★
今邑彩(イマムラ・アヤ)著/集英社
話の内容といい、文体といい、実に好みな作品でした。
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ホラー短編集と紹介されていて、かなり迷いつつ購入。
確かにホラーチックな作品もあるけれど、ミステリーあり、
ファンタジーありで、バラエティ豊か。
ホラー短編集の一言は、かえって読者を限定してしまうのでは
なかろうかと余計な心配をひとつ。
物語は全部で12。
がつがつと読み進むのではなく、1日1編上品に味わいたい
ものばかり。
中でもいちばん惹かれたのが「時を重ねて」という作品。
私立探偵をしているおれ。
大学時代の友人、小泉から依頼されたのは彼の妻の浮気調査。
女友達と軽井沢へ一泊旅行をするという小泉の妻を尾行するが
彼女の行動は不可解なことばかりで・・・。
友人夫婦の浮気調査という、これ以上ないくらいに生臭い
話であるにもかかわらず、最後まで読むとなんともいえず
寂しいような、いとおしくなるような。
初の今邑作品がこれだったのはラッキーだったかも。
ぜひとも他の作品も読んでみたいもの。
★★★★
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