はちみつ書房
ようこそ、はちみつ書房へ。 どうぞごゆるりと―。
 いつもの朝に
 今邑彩著/集英社

 読み終えた今、虚脱感でいっぱいです。
 あぁ、こういうラストだったのか。

いつもの朝にいつもの朝に
今邑 彩

集英社 2006-03
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 中学生である年子の兄弟、桐人と優太。
 優秀な兄と不出来な弟。
 ある日、弟が子供の頃から大切にしていたクマのぬいぐるみから
 謎めいたメモが見つかる。
 好奇心も手伝って、メモの示す岡山県のある村を訪ねる弟。
 そこには予想もしなかった戦慄の事実が待っていて―。


 白だと思っていたものが、途中で黒になり、
 黒だと思っていたものがまた白になり。
 
 読んでいて、優秀すぎてどこか鼻につく兄と、
 自分を卑下しすぎていて歯がゆい弟の、兄弟でありながら
 ぎくしゃくとした関係が、様々な事実の末に真の兄弟と
 なってゆく姿には不覚にも涙が。

 特筆すべきは母の存在。
 一見自己中心的なように描かれるが、実は途絶える事のない
 愛情を深く深く持っていて。
 この母があったからこその兄弟の関係と言っても過言ではない。

 ミステリーの風味もありつつ、実は親子愛・家族愛を問う
 素晴らしい作品。
 超・長編ではあるが、ぜひご一読を。
 ★★★★★
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 つきまとわれて
 今邑彩著/中公文庫

 「よもつひらさか」を読んで、すっかりその虜に。
 悲しいかな、なかなか作品が書店の店頭では見つからず、
 やっと見つけた一冊。
 あぁ、やっぱり好きだわ、今邑さん。
 今邑ブーム到来の予感。

つきまとわれて (中公文庫)つきまとわれて (中公文庫)
今邑 彩

中央公論新社 2006-02
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 今回の作品はミステリー連作短編集。
 前作では端役として登場した人物が、次の作品では主役になって
 いたりと、パターンとしてはありがちなものではあるが、
 違和感や強引さを感じさせないところが、ただただ素晴らしい。

 これらの作品、実は1990年代に書かれたもの。
 10年以上も前の作品であるのに、妙な古臭さを感じさせないのは
 扱うテーマが奇抜なものではなく、定番であるからこそ、とも
 言える。

 巻末の解説によると、今邑さんの作品は2003年以降発表されて
 いないそう。筆を折るということがないよう切実に願っている。
 ★★★★★

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 よもつひらさか
 今邑彩(イマムラ・アヤ)著/集英社

 話の内容といい、文体といい、実に好みな作品でした。

よもつひらさか (集英社文庫)よもつひらさか (集英社文庫)
今邑 彩

集英社 2002-09
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 ホラー短編集と紹介されていて、かなり迷いつつ購入。
 確かにホラーチックな作品もあるけれど、ミステリーあり、
 ファンタジーありで、バラエティ豊か。
 ホラー短編集の一言は、かえって読者を限定してしまうのでは
 なかろうかと余計な心配をひとつ。

 物語は全部で12。
 がつがつと読み進むのではなく、1日1編上品に味わいたい
 ものばかり。
 
 中でもいちばん惹かれたのが「時を重ねて」という作品。
 
 私立探偵をしているおれ。
 大学時代の友人、小泉から依頼されたのは彼の妻の浮気調査。
 女友達と軽井沢へ一泊旅行をするという小泉の妻を尾行するが
 彼女の行動は不可解なことばかりで・・・。


 友人夫婦の浮気調査という、これ以上ないくらいに生臭い
 話であるにもかかわらず、最後まで読むとなんともいえず
 寂しいような、いとおしくなるような。

 初の今邑作品がこれだったのはラッキーだったかも。
 ぜひとも他の作品も読んでみたいもの。
 ★★★★

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