はちみつ書房
ようこそ、はちみつ書房へ。 どうぞごゆるりと―。
 医学のたまご
 海堂 尊著/理論社

 そこかしこにいろいろな作品の登場人物が顔を出し、
 それを探しているだけでも楽しいもの。

 
医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!)医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!)
(2008/01/17)
海堂 尊

商品詳細を見る


 ちょっと落ちこぼれの中学生・曽根崎薫は、
 父親の作った適性テストで全国1位を取ったからさぁタイヘン!
 文部科学省肝いりのプロジェクトに抜擢され、
 東城大学医学部で学ぶはめに。
 中学生に医学の研究!?そんなのムリムリ!


 のほほんとした中学生が、まわりにかつぎあげられて
 医学部の学生になるてんやわんやを綴ったもの。
 医学になどまるで興味がないのに、チヤホヤされることに浮かれる
 様子など、子供の小ずるいところもしっかり描かれている。
 
 しかし!・・・何よりひどいのは一部の大人。
 相変わらず海堂さんは、利権に執着した汚い大人を描くのが上手いなぁと
 妙なところで感心したりして。
 ま、それでも「良心」のあるきちんとした大人も存在しているから
 救われるんですけれどもね。

 中学生にも読めるようにと書かれただけあって、
 今までの海堂作品に比べるとシンプル。
 イラストもかわいくて、個人的には頁の数字がひとつひとつ卵型になっているのがツボ。
 背表紙に描かれたキュートなイラストの意味は、最後まで読むと意味がわかります。

 気になったことといえば、近未来の話なのに、薫の言動が妙におっさんくさいこと。
 思わず近未来どころか、過去の話かと思いましたよ。
 そうそう、この物語の真のヒーローは薫のパパなんじゃないかしらん。

 それにしても出世したのね、田口センセ。
 ★★★★
page top
CATEGORY :  ■海堂 尊
ジェネラル・ルージュの凱旋
DATE : 2007-05-10-Thu  Trackback 3  Comment 12
 ジェネラル・ルージュの凱旋
 海堂 尊著/宝島社

 相変わらず突っ走ってます。
 ジェネラル・ルージュって何?とお思いの方は
 読んでお確かめを。

ジェネラル・ルージュの凱旋 ジェネラル・ルージュの凱旋
海堂 尊 (2007/04/07)
宝島社

この商品の詳細を見る

 
 愚痴外来講師・田口の元に内部告発文書が投げ込まれる。
 田口の親友である救命救急部長・速水が収賄をしているというもの。
 どうしても信じられない田口は、独自に調べることに。
 教授同士の足の引っ張り合い、火喰い鳥・白鳥、
 ドミノクイーン・姫宮の登場と次々と難問はふりかかり・・・。


 最後の最後にちらりとラブシーンらしきものが登場するのですが、
 なんというか、典型的な昼メロ(ソフト昼メロ)なのですよ。
 海堂さん、ラブシーンは苦手とみましたので、無理に入れなくも
 良いのじゃないかなぁ。
 逆に笑いを誘われたのは私だけかしらん。

 途中途中にいわゆる「事件」や「事故」が挿入されて、
 そこはすごくおもしろくなるのだけれど、倫理委員会のシーンは
 正直ちょっと飽きましたー。
 最後まで一気にというより、山になって間延びしての繰り返しかも。

 それにしても、「ナイチンゲールの沈黙」と同時進行する
 この作品。内容やパワーはどちらも見劣りしないので、
 その筆力はすごいなぁと思うばかり。

 順序としては、
 「ナイチンゲールの沈黙」→「ジェネラル・ルージュの凱旋」→
 「螺鈿迷宮」と読むのがベストかと。
 この順番で読めば、いろいろなことがすっきり片付きますよ。

 でも、本当に医療現場では男性がルージュをなんてことが
 あるのかしら。ものすご〜く気になったんですけど。

 ちなみに、「ナイチンゲール〜」の時は感じなかったけれど、
 「ジェネラル〜」を読んだら猫田師長は余貴美子さんの
 イメージが強くなったのですが、いかがでしょうか。
 ★★★★

 
 
page top
 螺鈿迷宮
 海堂尊著/角川書店

 うわー、読み終えるのにものすごく時間がかかってしまった。
 バチスタシリーズから3作目、とうとうあの氷姫こと姫宮が
 生身の人間として登場しましたよ。

螺鈿迷宮 螺鈿迷宮
海堂 尊 (2006/11/30)
角川書店

この商品の詳細を見る

 
 バチスタシリーズを読んでいる皆さん、姫宮をどんな人物と
 想像していましたか?
 私は氷姫のニックネームに感化され、美しくも冷たい
 いわゆる「クールビューティー」な女性を想像していました。

 これから読む方のために詳しい記述は避けますが、
 とりあえず私の想像が外れていたことだけは明記します(笑)

 冒頭にも書きましたが、今回はやけに読み終えるのに
 時間がかかりました。
 理由のひとつは主人公にあまり魅力を感じないせい。
 
 バチスタシリーズと同じく、茫洋とした主人公に超・個性的な
 脇役を混ぜる、というのがどうやら海堂さんの得意技のよう。
 それがこの作品ではうまく機能しなかったように感じられるの
 です。

 話の大きな流れを自分がうまくつかみとれなかったようで、
 なかなか頭に入らず苦労してしまいました。

 この作品にも少しだけ田口先生や高階院長などが登場します。
 ラストにはまたまた続編を予感させる記述があり、
 当面バチスタシリーズは続いていきそうです。
 
 そうそう余談ですが、冒頭の猫のシーンでかなり気をそがれました。
 事実だとしても、知りたくなかったなぁ。
 猫好きには目を背けたい一文でした。
 ★★★★
page top
 ナイチンゲールの沈黙
 海堂尊著/宝島社

 プロの作家に言うのは失礼を承知の上ですが、
 確実に1作目より上手くなってます。
 とてもこの作品が世に出る2作目とは思えず。
 読んでいて唸ってしまった。
 恐るべし海堂さん。

 
ナイチンゲールの沈黙 ナイチンゲールの沈黙
海堂 尊 (2006/10/06)
宝島社

この商品の詳細を見る


 バチスタ手術に伴うスキャンダルから9ヶ月。
 不定愁訴外来の田口にまたもや特命がくだされる。
 今回は小児科患児の不定愁訴外来を行って欲しいというもの。
 患児にはネグレクトが明らかな瑞人がいて、田口には荷が重い。
 そんな矢先、瑞人の父親が殺される事件が起きて、
 どういうわけかまたまたあの白鳥までがやって来た!
 

 今回は新たなキャラクターがてんこ盛り。
 警察庁から出向している加納に、地元警察の玉村、
 看護師長の眠り猫こと猫田、将軍(ジェネラル)の異名を持つ
 救命救急センター部長・速水などなど数え上げたらキリがない。
 
 これがまたどれも実に魅力的に描かれていて、
 後半にならないと白鳥が登場しないのだが、
 そんなことも忘れてしまうほど。
(正直、今回は白鳥の影が薄いとも言えるか)

 前作を読んでいなくとも今作を読めることは間違いないが、
 やはり前作から読むことをおすすめしたい。
 専門用語が難解なのはいつものこととして、
 必ずや3作目があるであろうと期待させる終わり方。

 そうそう、前作を読んだブロガー達の間でまことしやかに
 囁かれていた「2作目は絶対白鳥&姫宮だよね」という予想は
 今回大きく外れました。
 またもやチラリとその影を現したにすぎない氷姫こと姫宮。
 あなたは一体何者なの〜!?
 ★★★★★

 気になることその1
 白鳥の妻&娘

 気になることその2
 白鳥だけが知る兼業の弁護士って・・・?

 あぁ、早く3作目を〜。
 
page top
 チーム・バチスタの栄光
 海堂尊(カイドウ・タケル)著/宝島社

 刊行を心待ちにしていた作品。
 
チーム・バチスタの栄光 チーム・バチスタの栄光
海堂 尊 (2006/01)
宝島社

この商品の詳細を見る
 
 東城大学医学部・神経内科医田口は万年講師。
 不定愁訴外来を受け持ち、病院内からは「愚痴外来」などど
 揶揄される日々。
 そんな田口がなんの因果か病院長直々に依頼されたのは
 病院内のエース、心臓手術専門の桐生が続けて起こした
 術死の調査。医療事故なのか、それとも殺人なのか、
 手術に関わったスタッフの聞き取り調査、
 実際の手術の見学と思いつく限りの調査をするものの
 これといった結果が見出せない。
 そこで登場するのが厚生省の役人、白鳥。
 論理で人をケムに巻き、本気なんだかふざけているのか
 分からない。果たして事のカラクリはいかに―
 


 第4回このミステリーがすごい大賞受賞作品。
 とても作家デビューの作品とは思えない見事な出来栄え。
 
 いやぁ〜、期待に違わずおもしろかった!
 現役の医師が書いたと知り、医療用語が分かりずらいと
 困るなぁと思っていたものの、そんなものはまったくの杞憂。
 むしろ白鳥の発する専門用語の方が分かりにくい。
 しかし、そこは田口を読者と同じ目線に立たせ、
 田口の口から「どういう意味か」と問いただしてくれるので
 サクサクと頁を進めることができる。

 話は病院内に限られていて、手術中の死亡を扱っているので
 キャラクター次第ではつまらない話になってしまいがちな
 ところを、見事に登場する数々の人物像でカバー。
 田口&白鳥コンビに目がいきがちだが、
 実は高階&田口のコンビがいちばん際立っているのかも。
 煮ても焼いても喰えない高階、好きだなぁ。

 海堂さん自身が次回作もこのシリーズでいきたいと
 答えているので、首をなが〜くして待ちたいもの。
 ★★★★★



 
page top
Copyright © 2005 はちみつ書房. all rights reserved.