花が咲く頃いた君と
豊島 ミホ著/双葉社
前半の2編がいつもの豊島さんって感じで、
良くも悪くもあまりひっかかりがない。
このままの一冊なのかしらん、と思いきや後半2編は
個人的にとても印象に残るものでした。
豊島さんが「女子」を描くのが上手いのは納得するところ。
今作でも、高校生から中学生まで女子の生態が余すことなく描かれますが、
最終章『僕と桜と五つの春』では、メインとなるのは男子。
しかも、全然今時の男子ではなくて、むしろ全く目立たない男子。
初めはその描かれ方になんとなく違和感を感じるのですが、
最後に向けてきちんと収まりをつけるのは、見事でした。
普通よりももっと地味な作品かもしれません。
でも、世の中の大方の人たちが生きている(生きてきた)世界って
こういうものだよな、とつくづく。
中学生の女の子が家族について考える
『椿の葉に雪の積もる音がする』が秀逸でした。
★★★★
豊島 ミホ著/双葉社
前半の2編がいつもの豊島さんって感じで、
良くも悪くもあまりひっかかりがない。
このままの一冊なのかしらん、と思いきや後半2編は
個人的にとても印象に残るものでした。
![]() | 花が咲く頃いた君と (2008/03/19) 豊島 ミホ 商品詳細を見る |
豊島さんが「女子」を描くのが上手いのは納得するところ。
今作でも、高校生から中学生まで女子の生態が余すことなく描かれますが、
最終章『僕と桜と五つの春』では、メインとなるのは男子。
しかも、全然今時の男子ではなくて、むしろ全く目立たない男子。
初めはその描かれ方になんとなく違和感を感じるのですが、
最後に向けてきちんと収まりをつけるのは、見事でした。
普通よりももっと地味な作品かもしれません。
でも、世の中の大方の人たちが生きている(生きてきた)世界って
こういうものだよな、とつくづく。
中学生の女の子が家族について考える
『椿の葉に雪の積もる音がする』が秀逸でした。
★★★★
リリイの籠
豊島 ミホ著/光文社
毎回のことながら、女子高ものを読むと、思い当たるフシが多すぎて
アイタタタ・・・な気分になります。
これもそんな一作。
女子高を舞台にした連作もの。
各章が微妙にリンクしたりして、それを探すのも楽しいかと。
女子が集団になると、どうしてこう「群れ」って感じになるんだろう。
社会に出たら群れなんて何の関係もなくなるのにね。
女子特有の「嫉妬」や「意地悪」、からりと明るいようでいて、
実はジメジメしています〜っていうところが、ものすごくよく描けているのですよ。
自分の中にドッシリ印象に残る作品ではないけれど、
喉にひっかかった小骨のように、なんとなくチクチク気になる作品ではあります。
個人的には『ポニーテール・ドリーム』が好きだったな。
★★★★
豊島 ミホ著/光文社
毎回のことながら、女子高ものを読むと、思い当たるフシが多すぎて
アイタタタ・・・な気分になります。
これもそんな一作。
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女子高を舞台にした連作もの。
各章が微妙にリンクしたりして、それを探すのも楽しいかと。
女子が集団になると、どうしてこう「群れ」って感じになるんだろう。
社会に出たら群れなんて何の関係もなくなるのにね。
女子特有の「嫉妬」や「意地悪」、からりと明るいようでいて、
実はジメジメしています〜っていうところが、ものすごくよく描けているのですよ。
自分の中にドッシリ印象に残る作品ではないけれど、
喉にひっかかった小骨のように、なんとなくチクチク気になる作品ではあります。
個人的には『ポニーテール・ドリーム』が好きだったな。
★★★★
東京・地震・たんぽぽ
豊島 ミホ著/集英社
本の厚みもないし、話もひとつひとつが短くて
ついついスルスルっと読んでしまうのだけれど、
実はものすごく、いや、うすら怖い物語。
東京で震度6強の大地震が起こり、その時を迎えた様々な人々の
その瞬間であったり、その後であったりを描いている。
関東ではいつ大地震が起きてもおかしくないとずっとずっと
言われ続けていて、でもどこか「言われることに慣れてる」
みたいな感じがあって、危機感というのは正直薄い。
この物語に描かれるのは、あえて善と悪とにわけるならば
悪に傾いた人が多い。大地震という特殊な状況がそうさせたのか
それとも元々持っていた資質なのか。
人の弱みにつけこんで、悪意をむき出しにする様は
私に恐怖心を植え付け、読んだ後に悲しみを残す。
たくさんの話の中には、もちろん希望を持たせるものもあるのだが、
いかんせん人の悪意やずるさが際立ってしまい、
そこばかりが印象に残ってしまったのは
良いことなのか、悪いことなのか。
人と世界は善意だけでは成り立たない
あたりまえのことを痛感させられた一冊だった。
★★★★
豊島 ミホ著/集英社
本の厚みもないし、話もひとつひとつが短くて
ついついスルスルっと読んでしまうのだけれど、
実はものすごく、いや、うすら怖い物語。
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東京で震度6強の大地震が起こり、その時を迎えた様々な人々の
その瞬間であったり、その後であったりを描いている。
関東ではいつ大地震が起きてもおかしくないとずっとずっと
言われ続けていて、でもどこか「言われることに慣れてる」
みたいな感じがあって、危機感というのは正直薄い。
この物語に描かれるのは、あえて善と悪とにわけるならば
悪に傾いた人が多い。大地震という特殊な状況がそうさせたのか
それとも元々持っていた資質なのか。
人の弱みにつけこんで、悪意をむき出しにする様は
私に恐怖心を植え付け、読んだ後に悲しみを残す。
たくさんの話の中には、もちろん希望を持たせるものもあるのだが、
いかんせん人の悪意やずるさが際立ってしまい、
そこばかりが印象に残ってしまったのは
良いことなのか、悪いことなのか。
人と世界は善意だけでは成り立たない
あたりまえのことを痛感させられた一冊だった。
★★★★
エバーグリーン
豊島ミホ著/双葉社
帯には「ほろ苦い青春の日々を通して描かれる
切なさにキュッとなる恋愛小説」とありまして。
・・・ま、確かにそうなんですけども。
これじゃ青春真っ只中にいる人か、ラブラブ恋愛モードの
人じゃなきゃ手が出にくいよなぁ。
いきなりの辛口コメントご容赦ください。
でもね、帯文なんてどうでもよくて、中身はすばらしい!
青春とか恋愛とかそんなこと遠くに行った人にこそ(=私だ)
読んで欲しい一冊。
映画のハチクロ同様、なんともいえず懐かしいような、
少しだけ泣きたくなるようなそんな気持ちになりました。
雪深い町で暮らす中学生のシンとアヤコ。
ギターを弾くシンにアヤコが恋をし、ふたりの距離が徐々に
縮まってゆく。シンはミュージシャン、アヤコは漫画家になる
夢を抱き、ふたりは別々の道へ。
中学校の卒業式後、通いなれた通学路で10年後に会おうと約束
をするふたり。
10年後、地元で働くシンと、東京で漫画家になったアヤコ。
お互いに片時も忘れることのなかった約束を叶えることは
できるのか―。
大人になってからのふたりが特に良いのです。
シンはシン、アヤコはアヤコのままちゃんと成長していて、
約束を忘れることはないけれど、それぞれの生活には
葛藤みたいなものがあって、甘々な内容にしていない。
現実的に10年後の約束を忘れないなんてあり得るのか?
なんて思ったりもするけれど、このふたりだからこそ
忘れずにいられたんだよな、と納得できるし。
個人的には、中盤あたりから登場する伊知地君(イヂチくん)
が好きだなぁ。この子が登場することで、俄然話に膨らみが
増すというか。伊知地君の造形もすごく上手。
「檸檬のころ」もすご〜く良かったのですが、今作はその上を
いきました。豊島さん自身もどんどん上手くなっているようで
今後ますます期待大です。
★★★★★★
豊島ミホ著/双葉社
帯には「ほろ苦い青春の日々を通して描かれる
切なさにキュッとなる恋愛小説」とありまして。
・・・ま、確かにそうなんですけども。
これじゃ青春真っ只中にいる人か、ラブラブ恋愛モードの
人じゃなきゃ手が出にくいよなぁ。
いきなりの辛口コメントご容赦ください。
でもね、帯文なんてどうでもよくて、中身はすばらしい!
青春とか恋愛とかそんなこと遠くに行った人にこそ(=私だ)
読んで欲しい一冊。
映画のハチクロ同様、なんともいえず懐かしいような、
少しだけ泣きたくなるようなそんな気持ちになりました。
![]() | エバーグリーン 豊島 ミホ (2006/07) 双葉社 この商品の詳細を見る |
雪深い町で暮らす中学生のシンとアヤコ。
ギターを弾くシンにアヤコが恋をし、ふたりの距離が徐々に
縮まってゆく。シンはミュージシャン、アヤコは漫画家になる
夢を抱き、ふたりは別々の道へ。
中学校の卒業式後、通いなれた通学路で10年後に会おうと約束
をするふたり。
10年後、地元で働くシンと、東京で漫画家になったアヤコ。
お互いに片時も忘れることのなかった約束を叶えることは
できるのか―。
大人になってからのふたりが特に良いのです。
シンはシン、アヤコはアヤコのままちゃんと成長していて、
約束を忘れることはないけれど、それぞれの生活には
葛藤みたいなものがあって、甘々な内容にしていない。
現実的に10年後の約束を忘れないなんてあり得るのか?
なんて思ったりもするけれど、このふたりだからこそ
忘れずにいられたんだよな、と納得できるし。
個人的には、中盤あたりから登場する伊知地君(イヂチくん)
が好きだなぁ。この子が登場することで、俄然話に膨らみが
増すというか。伊知地君の造形もすごく上手。
「檸檬のころ」もすご〜く良かったのですが、今作はその上を
いきました。豊島さん自身もどんどん上手くなっているようで
今後ますます期待大です。
★★★★★★
檸檬のころ
豊島ミホ著/幻冬舎
「もしも生まれ変わるとしたら」なんて不毛なことを言うならば、
高校はどんなにおバカな所でも共学に行こう、と誓っている私。
それくらい私の女子高時代は暗黒だったのだ。
この本を読みながら、ふとそんなことを思っていた。
恋も友情も、進路も気に入らない教師も、卒業してからの回想も
この一冊にすべてつまっている。
人生はいろいろ、人それぞれの青春時代があって、
経験してきたことも、青春時代の流行も思いも違うはずなのに、
なぜかこの本にはそんな違和感がない。
言うなれば誰にでも心当たりがある「普遍」なのだ。
もう決して若くない私のお気に入りは「金子商店の夏」と
「ルパンとレモン」。
あぁ、やっぱり生まれ変わったら男になって、共学高校で
ブイブイ言わせちゃる!
最近あちこちで評価の高い豊島ミホさん、初読みでしたが
素直に、シンプルに良かったです。
若くても、中年でも、普遍なもの、スタンダードってやつは
不変なのだよ、うん。(あ、だじゃれみたいになっちゃった)
★★★★★
豊島ミホ著/幻冬舎
「もしも生まれ変わるとしたら」なんて不毛なことを言うならば、
高校はどんなにおバカな所でも共学に行こう、と誓っている私。
それくらい私の女子高時代は暗黒だったのだ。
この本を読みながら、ふとそんなことを思っていた。
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恋も友情も、進路も気に入らない教師も、卒業してからの回想も
この一冊にすべてつまっている。
人生はいろいろ、人それぞれの青春時代があって、
経験してきたことも、青春時代の流行も思いも違うはずなのに、
なぜかこの本にはそんな違和感がない。
言うなれば誰にでも心当たりがある「普遍」なのだ。
もう決して若くない私のお気に入りは「金子商店の夏」と
「ルパンとレモン」。
あぁ、やっぱり生まれ変わったら男になって、共学高校で
ブイブイ言わせちゃる!
最近あちこちで評価の高い豊島ミホさん、初読みでしたが
素直に、シンプルに良かったです。
若くても、中年でも、普遍なもの、スタンダードってやつは
不変なのだよ、うん。(あ、だじゃれみたいになっちゃった)
★★★★★
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