はちみつ書房
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 花が咲く頃いた君と
 豊島 ミホ著/双葉社

 前半の2編がいつもの豊島さんって感じで、
 良くも悪くもあまりひっかかりがない。
 このままの一冊なのかしらん、と思いきや後半2編は
 個人的にとても印象に残るものでした。

 
花が咲く頃いた君と花が咲く頃いた君と
(2008/03/19)
豊島 ミホ

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 豊島さんが「女子」を描くのが上手いのは納得するところ。
 今作でも、高校生から中学生まで女子の生態が余すことなく描かれますが、
 最終章『僕と桜と五つの春』では、メインとなるのは男子。

 しかも、全然今時の男子ではなくて、むしろ全く目立たない男子。
 初めはその描かれ方になんとなく違和感を感じるのですが、
 最後に向けてきちんと収まりをつけるのは、見事でした。

 普通よりももっと地味な作品かもしれません。
 でも、世の中の大方の人たちが生きている(生きてきた)世界って
 こういうものだよな、とつくづく。

 中学生の女の子が家族について考える
 『椿の葉に雪の積もる音がする』が秀逸でした。
 ★★★★
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 リリイの籠
 豊島 ミホ著/光文社

 毎回のことながら、女子高ものを読むと、思い当たるフシが多すぎて 
 アイタタタ・・・な気分になります。
 これもそんな一作。

 
リリイの籠リリイの籠
豊島 ミホ

光文社 2007-12-14
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 女子高を舞台にした連作もの。
 各章が微妙にリンクしたりして、それを探すのも楽しいかと。

 女子が集団になると、どうしてこう「群れ」って感じになるんだろう。
 社会に出たら群れなんて何の関係もなくなるのにね。
 
 女子特有の「嫉妬」や「意地悪」、からりと明るいようでいて、
 実はジメジメしています〜っていうところが、ものすごくよく描けているのですよ。

 自分の中にドッシリ印象に残る作品ではないけれど、
 喉にひっかかった小骨のように、なんとなくチクチク気になる作品ではあります。
 個人的には『ポニーテール・ドリーム』が好きだったな。
 ★★★★
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 東京・地震・たんぽぽ
 豊島 ミホ著/集英社

 本の厚みもないし、話もひとつひとつが短くて
 ついついスルスルっと読んでしまうのだけれど、
 実はものすごく、いや、うすら怖い物語。

 
東京・地震・たんぽぽ東京・地震・たんぽぽ
豊島 ミホ

集英社 2007-08
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 東京で震度6強の大地震が起こり、その時を迎えた様々な人々の
 その瞬間であったり、その後であったりを描いている。

 関東ではいつ大地震が起きてもおかしくないとずっとずっと
 言われ続けていて、でもどこか「言われることに慣れてる」
 みたいな感じがあって、危機感というのは正直薄い。

 この物語に描かれるのは、あえて善と悪とにわけるならば
 悪に傾いた人が多い。大地震という特殊な状況がそうさせたのか
 それとも元々持っていた資質なのか。
 人の弱みにつけこんで、悪意をむき出しにする様は
 私に恐怖心を植え付け、読んだ後に悲しみを残す。

 たくさんの話の中には、もちろん希望を持たせるものもあるのだが、
 いかんせん人の悪意やずるさが際立ってしまい、
 そこばかりが印象に残ってしまったのは
 良いことなのか、悪いことなのか。
 
 人と世界は善意だけでは成り立たない 
 あたりまえのことを痛感させられた一冊だった。
 ★★★★
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 エバーグリーン
 豊島ミホ著/双葉社

 帯には「ほろ苦い青春の日々を通して描かれる
 切なさにキュッとなる恋愛小説」
とありまして。
 
 ・・・ま、確かにそうなんですけども。
 これじゃ青春真っ只中にいる人か、ラブラブ恋愛モードの
 人じゃなきゃ手が出にくいよなぁ。

 いきなりの辛口コメントご容赦ください。
 でもね、帯文なんてどうでもよくて、中身はすばらしい!
 青春とか恋愛とかそんなこと遠くに行った人にこそ(=私だ)
 読んで欲しい一冊。
 映画のハチクロ同様、なんともいえず懐かしいような、
 少しだけ泣きたくなるようなそんな気持ちになりました。

エバーグリーン エバーグリーン
豊島 ミホ (2006/07)
双葉社

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 雪深い町で暮らす中学生のシンとアヤコ。
 ギターを弾くシンにアヤコが恋をし、ふたりの距離が徐々に
 縮まってゆく。シンはミュージシャン、アヤコは漫画家になる
 夢を抱き、ふたりは別々の道へ。
 中学校の卒業式後、通いなれた通学路で10年後に会おうと約束
 をするふたり。
 10年後、地元で働くシンと、東京で漫画家になったアヤコ。
 お互いに片時も忘れることのなかった約束を叶えることは
 できるのか―。
 

 大人になってからのふたりが特に良いのです。
 シンはシン、アヤコはアヤコのままちゃんと成長していて、
 約束を忘れることはないけれど、それぞれの生活には
 葛藤みたいなものがあって、甘々な内容にしていない。

 現実的に10年後の約束を忘れないなんてあり得るのか?
 なんて思ったりもするけれど、このふたりだからこそ
 忘れずにいられたんだよな、と納得できるし。

 個人的には、中盤あたりから登場する伊知地君(イヂチくん)
 が好きだなぁ。この子が登場することで、俄然話に膨らみが
 増すというか。伊知地君の造形もすごく上手。

 「檸檬のころ」もすご〜く良かったのですが、今作はその上を
 いきました。豊島さん自身もどんどん上手くなっているようで
 今後ますます期待大です。
 ★★★★★★

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 檸檬のころ
 豊島ミホ著/幻冬舎

 「もしも生まれ変わるとしたら」なんて不毛なことを言うならば、
 高校はどんなにおバカな所でも共学に行こう、と誓っている私。
 それくらい私の女子高時代は暗黒だったのだ。
 この本を読みながら、ふとそんなことを思っていた。

檸檬のころ檸檬のころ
豊島 ミホ

幻冬舎 2005-03
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 恋も友情も、進路も気に入らない教師も、卒業してからの回想も
 この一冊にすべてつまっている。
 
 人生はいろいろ、人それぞれの青春時代があって、
 経験してきたことも、青春時代の流行も思いも違うはずなのに、
 なぜかこの本にはそんな違和感がない。
 言うなれば誰にでも心当たりがある「普遍」なのだ。

 もう決して若くない私のお気に入りは「金子商店の夏」と
 「ルパンとレモン」。
 
 あぁ、やっぱり生まれ変わったら男になって、共学高校で
 ブイブイ言わせちゃる!
 最近あちこちで評価の高い豊島ミホさん、初読みでしたが
 素直に、シンプルに良かったです。
 
 若くても、中年でも、普遍なもの、スタンダードってやつは
 不変なのだよ、うん。(あ、だじゃれみたいになっちゃった)
 ★★★★★ 
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