いつか陽のあたる場所で
乃南 アサ著/新潮社
読んでいて安心できるっていうのはこういう作品。
芭子と綾香。歳は違えど気の合うふたり。
東京の下町・谷中でひっそりと暮らすふたりには
誰にも言えない過去があった。
過去に怯え、未来から目をそむける芭子に、
過去は変えられないと言い切る綾香。
そんなふたりの物語―。
私ごときが言うのも何ですが、やっぱり乃南さんは上手い。
安定感とか安心感とか、こういう作品を言うのだろうなと
思うこと多々。
それぞれが人には決して言えない過去を持ち、
それでも今を懸命に生きる日々。
「普通である」ということがどういうことか
ふたりを反面教師にして考えさせられます。
なんとなく、まだ続きそうな予感のある作品。
やっぱり乃南さんは良い。好きだなぁ。
★★★★
乃南 アサ著/新潮社
読んでいて安心できるっていうのはこういう作品。
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芭子と綾香。歳は違えど気の合うふたり。
東京の下町・谷中でひっそりと暮らすふたりには
誰にも言えない過去があった。
過去に怯え、未来から目をそむける芭子に、
過去は変えられないと言い切る綾香。
そんなふたりの物語―。
私ごときが言うのも何ですが、やっぱり乃南さんは上手い。
安定感とか安心感とか、こういう作品を言うのだろうなと
思うこと多々。
それぞれが人には決して言えない過去を持ち、
それでも今を懸命に生きる日々。
「普通である」ということがどういうことか
ふたりを反面教師にして考えさせられます。
なんとなく、まだ続きそうな予感のある作品。
やっぱり乃南さんは良い。好きだなぁ。
★★★★
風の墓碑銘
乃南アサ著/新潮社
待望の音道貴子シリーズ最新刊。
ファンにはたまらない滝沢との名コンビも復活で
満腹、満腹。
このシリーズの何が好きかって、音道貴子がヒーローじゃ
ないところ。仕事に行き詰まりもすれば、バツイチで
恋人との関係も進展しない。実家の家族とも円満という
わけではないし、いたって人間くさいのだ。
30代も半ばとなると、親からの諸々のプレッシャーも
きつくなるし、心配されること自体がわずらわしくもなる。
仕事は仕事で、中途半端な年齢が災いし、男性社員の
扱いが持て余し気味であるとヒシヒシと感じたり。
・・・とまぁ、自分に置き換えてみてもなかなか生きにくい
年代を音道貴子は超・男性社会である警察という組織で
過ごしているわけで。読んでいるこちらは、
これを応援せずに誰を応援するかという気持ちになるのだ。
余談。
帯に「平塚の千鶴子事件云々」という言葉がありますが、
なんでそんなことを書くかねぇ。
読んでも全然千鶴子事件なんて連想させないし、
中身の上質さにかえって泥を塗っていますぞ。
出版社の「売らんかな主義」がアリアリで、
それだけはとても嫌な感じでした。
★★★★★
乃南アサ著/新潮社
待望の音道貴子シリーズ最新刊。
ファンにはたまらない滝沢との名コンビも復活で
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このシリーズの何が好きかって、音道貴子がヒーローじゃ
ないところ。仕事に行き詰まりもすれば、バツイチで
恋人との関係も進展しない。実家の家族とも円満という
わけではないし、いたって人間くさいのだ。
30代も半ばとなると、親からの諸々のプレッシャーも
きつくなるし、心配されること自体がわずらわしくもなる。
仕事は仕事で、中途半端な年齢が災いし、男性社員の
扱いが持て余し気味であるとヒシヒシと感じたり。
・・・とまぁ、自分に置き換えてみてもなかなか生きにくい
年代を音道貴子は超・男性社会である警察という組織で
過ごしているわけで。読んでいるこちらは、
これを応援せずに誰を応援するかという気持ちになるのだ。
余談。
帯に「平塚の千鶴子事件云々」という言葉がありますが、
なんでそんなことを書くかねぇ。
読んでも全然千鶴子事件なんて連想させないし、
中身の上質さにかえって泥を塗っていますぞ。
出版社の「売らんかな主義」がアリアリで、
それだけはとても嫌な感じでした。
★★★★★
しゃぼん玉
乃南アサ著/朝日新聞社
伊豆見翔人、23歳。
ひったくりや強盗を繰り返し、ヒッチハイクをしながら
九州へとたどり着く。
金が底をつき、寝る場所にも食べるものにも困窮し、
また犯罪に手を染めようとしたその時に
ある老婆と出会う。
スキをみて老婆から金を奪おうと画策する翔人。
しかし、人を疑わず、あるがままを受け入れてくれる
老婆やまわりの人たちと暮らすうちに、
いつしか翔人にも変化が訪れて・・・。
最初はもう、なんだか落ち着かない気持ちにさせられて、
またいつ翔人が悪事をはたらくのだろうとハラハラ。
表紙の雰囲気といい、あらすじといい、これは絶対
救いのない話だろうと決めてかかっていたら、大違い。
実に久しぶりに読んだ乃南さん。
やっぱり巧い作家だなぁと改めて実感。
前半の息苦しさから徐々に開放されて、
最後にたどりつく時には実に爽やかな心持に。
きっとこれからの翔人は偏見や差別と戦わなくてはいけなくて、
その方が今までよりもずっとずっと大変かもしれないけれど、
オスマ嬢とシゲ爺がいれば大丈夫。
★★★★
乃南アサ著/朝日新聞社
伊豆見翔人、23歳。
ひったくりや強盗を繰り返し、ヒッチハイクをしながら
九州へとたどり着く。
金が底をつき、寝る場所にも食べるものにも困窮し、
また犯罪に手を染めようとしたその時に
ある老婆と出会う。
スキをみて老婆から金を奪おうと画策する翔人。
しかし、人を疑わず、あるがままを受け入れてくれる
老婆やまわりの人たちと暮らすうちに、
いつしか翔人にも変化が訪れて・・・。
最初はもう、なんだか落ち着かない気持ちにさせられて、
またいつ翔人が悪事をはたらくのだろうとハラハラ。
表紙の雰囲気といい、あらすじといい、これは絶対
救いのない話だろうと決めてかかっていたら、大違い。
実に久しぶりに読んだ乃南さん。
やっぱり巧い作家だなぁと改めて実感。
前半の息苦しさから徐々に開放されて、
最後にたどりつく時には実に爽やかな心持に。
きっとこれからの翔人は偏見や差別と戦わなくてはいけなくて、
その方が今までよりもずっとずっと大変かもしれないけれど、
オスマ嬢とシゲ爺がいれば大丈夫。
★★★★
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