はちみつ書房
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 いつか陽のあたる場所で
 乃南 アサ著/新潮社

 読んでいて安心できるっていうのはこういう作品。

 
いつか陽のあたる場所でいつか陽のあたる場所で
乃南 アサ

新潮社 2007-08
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 芭子と綾香。歳は違えど気の合うふたり。
 東京の下町・谷中でひっそりと暮らすふたりには
 誰にも言えない過去があった。
 過去に怯え、未来から目をそむける芭子に、
 過去は変えられないと言い切る綾香。
 そんなふたりの物語―。


 私ごときが言うのも何ですが、やっぱり乃南さんは上手い。
 安定感とか安心感とか、こういう作品を言うのだろうなと
 思うこと多々。

 それぞれが人には決して言えない過去を持ち、
 それでも今を懸命に生きる日々。
 「普通である」ということがどういうことか
 ふたりを反面教師にして考えさせられます。

 なんとなく、まだ続きそうな予感のある作品。
 やっぱり乃南さんは良い。好きだなぁ。
 ★★★★
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 風の墓碑銘
 乃南アサ著/新潮社

 待望の音道貴子シリーズ最新刊。
 ファンにはたまらない滝沢との名コンビも復活で
 満腹、満腹。

風の墓碑銘風の墓碑銘
乃南 アサ

新潮社 2006-08-30
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 このシリーズの何が好きかって、音道貴子がヒーローじゃ
 ないところ。仕事に行き詰まりもすれば、バツイチで
 恋人との関係も進展しない。実家の家族とも円満という
 わけではないし、いたって人間くさいのだ。

 30代も半ばとなると、親からの諸々のプレッシャーも
 きつくなるし、心配されること自体がわずらわしくもなる。
 仕事は仕事で、中途半端な年齢が災いし、男性社員の
 扱いが持て余し気味であるとヒシヒシと感じたり。

 ・・・とまぁ、自分に置き換えてみてもなかなか生きにくい
 年代を音道貴子は超・男性社会である警察という組織で
 過ごしているわけで。読んでいるこちらは、
 これを応援せずに誰を応援するかという気持ちになるのだ。

 余談。
 帯に「平塚の千鶴子事件云々」という言葉がありますが、
 なんでそんなことを書くかねぇ。
 読んでも全然千鶴子事件なんて連想させないし、
 中身の上質さにかえって泥を塗っていますぞ。
 出版社の「売らんかな主義」がアリアリで、
 それだけはとても嫌な感じでした。
 ★★★★★ 
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 しゃぼん玉
 乃南アサ著/朝日新聞社

 伊豆見翔人、23歳。
 ひったくりや強盗を繰り返し、ヒッチハイクをしながら
 九州へとたどり着く。
 金が底をつき、寝る場所にも食べるものにも困窮し、
 また犯罪に手を染めようとしたその時に
 ある老婆と出会う。
 スキをみて老婆から金を奪おうと画策する翔人。 
 しかし、人を疑わず、あるがままを受け入れてくれる
 老婆やまわりの人たちと暮らすうちに、
 いつしか翔人にも変化が訪れて・・・。


 最初はもう、なんだか落ち着かない気持ちにさせられて、
 またいつ翔人が悪事をはたらくのだろうとハラハラ。
 表紙の雰囲気といい、あらすじといい、これは絶対
 救いのない話だろうと決めてかかっていたら、大違い。

 実に久しぶりに読んだ乃南さん。
 やっぱり巧い作家だなぁと改めて実感。

 前半の息苦しさから徐々に開放されて、
 最後にたどりつく時には実に爽やかな心持に。
 
 きっとこれからの翔人は偏見や差別と戦わなくてはいけなくて、
 その方が今までよりもずっとずっと大変かもしれないけれど、
 オスマ嬢とシゲ爺がいれば大丈夫。
 ★★★★

 
しゃぼん玉 (新潮文庫 の 9-36)しゃぼん玉 (新潮文庫 の 9-36)
乃南 アサ

新潮社 2008-01-29
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